平成30年間を振り返る(3/3)
2019.02.22

ひとり当りGDPで振り返る、平成の30年(続き)

皆さんこんにちは。宮城県よろず支援拠点コーディネーターの鯨井文太郎です。
前回は、平成の30年間におけるひとり当りGDPの推移を、名目ベースと実質ベースで確認致しました。
今回はその国の裕福度を図る指標の一つとされる、ひとり当りGDPについて、他国との比較を行ってみたいと思います。

他国と比較する為には、各国の物価水準の差や為替レートを考慮したうえで、USドルの様な基軸通貨に置き換えて換算する、ひとり当たり購買力平価GDPという指標を用います。
そして、日本のひとり当り購買力平価GDPの推移は以下の通りとなります。




出典:https://ecodb.net/ より筆者作成 
なお、当サイトのデータは IMF - World Economic Outlook Databases より引用


 平成元年のひとり当たり購買力平価GDPは18,313ドル、平成30年のひとり当り購買力GDPは44,550ドルです。前回紹介したひとり当り実質GDPと同様、こちらの指標も平成元年から順調に増加していることが分かります。

 この、日本のひとり当り購買力平価GDPは世界の中ではどれ位の水準なのでしょうか。平成元年から平成28年までの順位変動を示したグラフは以下の通りです。




出典:https://ecodb.net/ より筆者作成 
なお、当サイトのデータは IMF - World Economic Outlook Databases より引用


 上記の通り、平成元年は23位、その後順位を上げ、平成4年、平成5年、平成8年は過去最高位の17位となっています。その後、徐々に減少し平成21年には33位と過去最低、平成28年も30位と、近年は30位前後の水準で推移しています。

 ひとり当り購買力平価GDPは順調に上昇しているように見えましたが、他国と比較してみると順位は落としています。これは、日本の水準以上に、他国の増加率が上回っていることを示しています。
以下に、平成28年の上位5か国及びG20諸国(実際はEUを除く19か国)の、ひとり当り購買力平価GDPランキングを示します。



出典:https://ecodb.net/ より筆者作成 
なお、当サイトのデータは IMF - World Economic Outlook Databases より引用


上位5か国(や地域)は、資源が豊富であったり、人口規模の小さな国といった特徴があります。トップ3は100,000ドルを超えているのですね!また、マカオ、シンガポール、ブルネイはいずれも人口規模は小さいもののアジアの国々です。

G20の中で最も高い順位に位置するのはアメリカで13位、57,815ドルです。日本は30位で41,353ドルです。G7諸国の中ではイタリアに次いで低い順位となっています。

なお、日本より上位にランクインされていたアジアの国や地域は、前述の3か国(地域)以外にも、台湾が21位(48,181ドル)でランクインされていました。

前回からの内容をまとめると、以下の通りとなります。
・日本のひとり当り名目GDPは、平成9年以降伸び悩んでいる
・しかし、長期にわたるデフレの影響もあり、物価変動を考慮したひとり当り実質GDPは増加基調にある
・同じく、ひとり当り購買力平価GDPも増加基調にある
・しかし、ひとり当り購買力平価GDPを、他国と比較すると、相対的な値(順位)は減少している。

  つまり、ひとり当り購買力平価GDPから、裕福度を図った場合、日本以上に他国の水準は増加している、ということになります。

 前々回のコラムでは、ヒット商品を振り返りました。そこで我々の暮らしがこの30年間で、とても便利になっていることを、なんとなく確認出来たと思います。ひとり当りGDPも、実質ベースや購買力平価ベースでは増加していることを確認しました。つまり、我々は豊かになっていると言えます。
しかし、他国と比較すると、順位を落としている状況です。

何をもって豊かさと捉えるか。これは人それぞれによって考え方は異なりますが、この30年間、我々の暮らしはどのように変化してきたのか、より豊かになったのかと言えるのか、ということを考察する際に、今回、前回、前々回のデータや指標は参考になったり、考えさせられたりすることが多いのではないでしょうか。

 以上で3回に渡って、私が担当したコラムは終了となります。 当コラムを最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。


2019.02.22 14:43 | 固定リンク | 経営ミニコラム

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