法人成りってなに?(1/3)
2018.12.13


皆さん、こんにちは。宮城県よろず支援拠点の小野寺です。

今年も早いもので、一年のしめくくりの時期になりました。今回から3回に渡って、経営ミニコラムを担当させていただきます。

今回のテーマは、「法人成りってなに?」と題して、個人事業者が法人を設立して事業を営む場合についてご紹介していきます。


はじめに法人成りとはなんでしょうか。起業するとき多くは、法人を設立する場合と、個人事業でスタートする場合に分かれます。このうち個人事業でスタートした場合に、創業後に個人事業から法人を設立することを「法人成り」と呼びます。

個人事業でスタートして事業が軌道に乗ってくると、一度は法人成りを考えるのではないでしょうか。

今回も含めて全3回で以下の内容で法人成りについてご紹介していきます。
第1回目・・・法人成りのメリット、デメリット
第2回目・・・法人成りのタイミング
第3回目・・・法人成りの手続き


第1回目の今回は「法人成りメリット・デメリット」についてご紹介します。メリット・デメリットは個人で感じ方が異なるので一概に言えません。しかし、発生するコストが低くなったり、逆に高くなったりするような数値で表せるメリット・デメリットもあります。

では、実際に法人成りした場合にどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。メリット・デメリットは業種や事業環境によっても若干変わると思いますが、ここでは主なものをあげさせて頂きます。


■メリット

・代表者に対する給与を費用にできる
法人では、代表者に支給する給与を経費として計上することができます。もちろん代表者には、所得税・住民税が課税されます。しかし、給与には給与所得控除という控除が認められているので節税へとつながります。

【個人事業の場合】
事業による所得額 6,000,000円
所得税 6,000,000円×所得税率(20%-427,500円)=772,500円

【法人の場合】
●所得税
役員報酬による所得額 6,000,000円
所得税 (6,000,000円-給与所得控除額(1,740,000円))×所得税率(20%-427,500円)=424,500円

●法人税
法人の利益(役員報酬支給後) 0円
法人税(均等割りのみ) 72,000円
(宮城県内で資本金が1,000万円以下の場合)

法人の場合は所得税と法人税を合わせて424,500円+72,000円=496,500円

このモデルケースの場合だと、法人成りした方が所得税と法人税が772,500円-496,500円=276,000円少なくなります。

・税率が一定である
個人事業の場合、所得に対して所得税が課税されます。所得税は所得が高くなるにつれて税率も高くなる累進課税となります。 これに対して法人成りをすると、法人の利益に対して法人税が課税されます。法人税は原則として一定です。さらに中小法人の場合には軽減税率の対象になります。

・信用が増す
個人事業と法人では、対外的な信用が異なります。法人は所在地や役員などを登記するため、第三者でも会社の情報を法務局などで確認することができます。そのため、個人事業と比べると信用力が増します。


■デメリット

・赤字でも税金の納付が必要になる
個人事業の場合、赤字となったら所得税は課税されません。しかし、法人の場合、赤字であったとしても法人住民税が課税されます。この金額は所在地のある自治体や、資本金などによっても異なりますが、宮城県の場合、現在のところ最低でも72,000円は納税する必要があります。基本的には売上高がなくても法人が存続している間は発生します。

・お金を自由に使えない
個人事業の場合、事業用に開設した口座のお金であっても、事業主の生活費などの事業以外の支払いに使うことも可能です。さらに返済義務もありません。事業用であったとしても元をたどれば事業主、個人の所有のお金なので自由に使うことができます。(もちろん、私的な支出の場合、確定申告時に必要経費にできせんが。)
これに対して法人成りをすると、社長であっても、法人のお金を私的なものに使うことはできません。もし使ってしまった場合には、社長に対する給与又は貸付金として扱われ、所得税が課されたり、返済義務を負うことになります。

・手間が増える
個人・法人ともに税務署への確定申告は必要です。しかし、法人の方が、手間が多く複雑です。税務申告以外にも役員の任期満了に伴う登記が必要であったり、帳簿書類の保管が最長で10年間必要であったりなど手間が増えます。

■まとめ
簡単に法人成りのメリット・デメリットをあげさせていただきました。結局、個人事業のまま継続したほうがいいの?法人成りした方がいいの?と、より迷ってしまう方もいらっしゃると思います。法人を設立するのにも費用は発生しますし、一度、設立した法人を解散されるのにも手間はかかります。なので、法人成りを検討する場合には、直近のことだけで判断せず、長期的な視点でメリット・デメリットを考えるようにするのが重要です。また、置かれている状況は100人いれば100通りあります。法人成りすべきがどうか迷っていらっしゃる方は、ぜひ宮城県よろず支援拠点にお越しください。御社のお話をお聞かせください。

では、次回は「法人成りってなに?~法人成りのタイミング」をご紹介します。
ご覧いただきありがとうございました。

2018.12.13 11:12 | 固定リンク | 経営ミニコラム

- CafeNote -