加美町の空き家問題に取り組み、一人一人が助け合いながら暮らすことができるコミュニティの実現へ|リロカリコクリ株式会社
2021.02.09

<リロカリコクリ株式会社 代表取締役米津岳さん>
加美町で空き家問題や移住促進に取り組む企業、リロカリコクリ株式会社を2021年1月21日に設立したばかりの米津岳さん。よろず支援拠点では事業計画の策定や細かい起業準備について約10か月に渡って伴走させていただきました。
【Webサイト】 https://www.re-localicocre.com/
今回は、リロカリコクリの事業内容や創業までの歩み、今後のビジョンについての社長インタビューをお届けします!(インタビューアー:出水)
●当拠点の主な支援コーディネーター

出水彩子

布木綾


~起業のきっかけから法人設立にいたるまで~
-法人設立、おめでとうございます!ついにここまできましたね! まずは、リロカリコクリの事業内容について教えてください。
ありがとうございます。ようやく法人設立にたどり着きました!
リロカリコクリはとにかく田舎の良い所を伸ばせる事なら全部やりたい!という思いを込め設立しました。地方の事を好きになってもらい地方移住者が沢山増えるように、先ずは地域課題でもある空き家対策事業と移住定住促進事業を関連付けながら走り出したいと思います。
具体的には、空き家の実態調査を実施し町内の空き家物件を把握しつつ、空き家が今以上に悪くならないよう維持管理を行いながら、状態の良い物件を利活用できるように調整していきたいと考えています。空き家の持ち主と移住したい人や住まいを探している人とを繋げる役割を担えるよう取り組みます。
また首都圏に住んでいる方にも加美町のことを知っていただける機会を作れるよう、地場産品の商品開発販売等も同時に行っていく予定です。

-米津さんはこれまでも、加美町のユニークな特産品を色々開発していますよね。今後の商品開発も楽しみです。ところで、リロカリコクリって面白い社名ですよね。どんな思いが込められているのでしょうか?
「Life Re-localization in Regional co-creation」略してリロカリコクリ、地域共創における生活の地域回帰という意味の造語です。「田舎で創り田舎で過ごそう」という思いを込めています。
最初はもっとわかりやすい、○○不動産とか、株式会社米津とか・・・も考えたのですが、私の思いをそのまま社名にした方が思いもこもりますし、何よりインパクトがあるのでは、と。初めて聞いた方は大抵2回聞き直してくださいます笑。覚えにくいとおっしゃる方もいらっしゃいますが、他に似た言葉がない分、慣れちゃえば自然になるでしょう。きっと数年後にはスタンダードになっているはずです!
なるほど!愛称はリロカリですかね?リロコクかな(笑)
-起業を目指したきっかけはどんなことだったのですか?
私は2018年5月に地域おこし協力隊として加美町に移住しました。広大な敷地がある一件家で気ままな田舎暮らしがしたい!と思い移住したのですが、当時はすぐに住める一件家もなくアパートに暮らすこととなりました。職場とアパートを行き来する毎日に、漠然と空き家は沢山あるはずなのに、なぜ活かされないのか・・・と疑問に思う日々。そんな中、たまたま農家のお手伝いに行った際、ひょんなことから空き家を紹介され、とんとん拍子で話が進み、あっという間に住むことになったのが今住んでいる家です。あんなに悶々していた日々が嘘のようでした。
空き家バンクや不動産業者には掲載されていないけど、住むことができる空き家がある。そして私たち移住者は住める家を探している。この間を縫う事ができれば、私のような移住者を受入れることができるはず。住環境を整備することで問題解決できる!と考え、空き家利再生・利活用ができる事業を立ち上げようと決意しました。
-まさにご自分の移住の経験がきっかけだったのですね。空き家を活用したご自宅をオンライン面談の時に見せていただいたのですが、広くて趣のある家屋と広大な庭が素敵でした。猫ちゃんたちもたくさん(笑)
米津さんは、今までの経歴も面白いですよね。元ミュージシャンだとか。
20代の頃はバンド活動~アルバイトをしながらセミプロミュージシャンとして活動していました。30代になり人の役に立てる仕事をしようと音楽から離れ、高齢者の介護予防業務等に携わります。その頃からいずれは田舎に住みたいと考えるようになり、37歳の時にふるさと回帰支援センターへ相談に行った際、初めて加美町を知りました。当時の加美町のチラシには「音楽と福祉のまちづくり」と書かれており、これはまさに私の事を呼んでいるのだなと感じたのがきっかけです。その後移住セミナーに参加した際披露された町長作詞作曲の歌に度肝を抜かれ、移住体験ツアーでは旧友と再会するなどまさにご縁が紡いだ移住だったと思います。
-加美町に移住をしてみて、どんな魅力があったのですか?逆に大変だったことはありますか?
私は多少の知名度や名物があるにせよ、基本的にはどこの町も同じ田舎だと思っています。山があり、川があり、田畑があり・・・だからこそ人との繋がりが全てであり、逆に言えばどこに住んでも魅力的な町となりえる。もちろん加美町にも誇れる魅力は沢山ありますが、それはどこに行っても等しくある訳で、住めば都そのものであると感じています。人との繋がり次第で良くも悪くも変化する、なのでウチが一番いい!とかはあまりありません。ただ、飯はうまいし、手軽にアウトドア体験もできるし、気の良い人達が沢山いるのは確かで、それが魅力的なのかもしれません。後付けかもしれませんが。
大変だとあまり感じた事はないですが、一つは言葉ですね。やっぱり方言は何を言っているか分からないことが未だにあります。必至で聞き取り読み取るようにしています。
あと、流れの変化はゆっくりだと思います。やりたいことや解決したいことがあったとしても、ゆっくり時間をかけて地域の人達に理解してもらうことが重要だと思います。せかせかと大層な事を並べても伝わらないし何も変わりません。まずはお互いに人となりを知り合ってからが、何をやるにも良いかと思います。
~リロカリコクリのこれからについて~
-今後、どんなサービスを提供していく予定ですか?
まずは行政と連携し町内の空き家実態調査を行いたいと考えています。実際にどの程度空き家があるのか、把握できていない物件がどの程度あるのか、そこから空き家が朽ちないように維持や管理を請け負えるサービスを展開します。具体的には空き家の定期的な清掃や草刈、空気の入れ替え等を定額で請け負えるサービスです。加えて空き家バンクの運営も担い、相談窓口を開設することで町内の空き家利活用と対策を同時に行えるように体制を整えていきます。
また移住者受入促進事業と連携して行う事で、移住体験や一時的な宿泊対応等の受入先を確保し、将来的に移住・定住者受入ができる空き家利活用事業にしていきたいと考えています。
-5年後、10年後のビジョンがあれば教えてください。
空き家不動産を維持管理・再生利活用することで移住者受入や地域活性化へ繋げていきたいと考えています。
描いている構想としては、空き家をシェアハウスやシェアオフィス、ワーケーション受入施設へ、空き店舗をトライアルショップや飲食店開業者への誘致等に活用していきたいと考えています。同時に音楽や陶芸などのクリエイターが集まれるような拠点作りにも裾野を広げたいですね。
ここで実績を積み上げ他の地域にノウハウを共有していければ全国的にも過疎化や空き家問題の解決に役立つのではないかと考え、地方移住を推進し、都市部でなくても生活できる基盤を構築することで都市部一極集中化の解消へと繋げ、田舎で人間らしい生活ができるきっかけづくりに繋げていきたいと思います。
あとこれは極めてプライベートな夢なのですが、自宅にキャンプサイトやアスレチック、観光農園、喫茶店なんかを作ってアミューズメントパークみたいにしたいです。子どもがはだしで走り回って自然を五感で感じられるようなうちにしたいです笑

~よろず支援拠点について~
-米津さんは去年の3月から約10カ月間に渡って準備されていましたね。
起業準備で一番大変だったことはなんですか?
創業計画の作成です。自分が思い描くものを具体化し人に知ってもらうためには、自分の思いを大事にしながら人に伝わるようにしなければならない。実際にそれが本当に必要なことなのか、そもそもそれは事業として成り立つのか、会社として長く運営できるのか、など今まで考えた事のないことを隅々まで考えて計画を作りました。不具合のある事業内容はその都度見直しをして再構築していく作業は大変でしたね。
収支予算を作ったことも初めてでした。勘定科目さえわからない状態でほぼ一から勉強した形でしたが、そこはよろず支援拠点の支援員の方に支えられ、何とか形作ることができたと思います。こんなど素人にも根気よく相談に乗って下さった結果が今に繋がっているのです。
-よろず支援拠点に相談してみてどうでしたか?
ぼんやりと浮かべていた事業を具体化し形にする所まで伴走してくださいました。なんとなく「これはいいはず」みたいな抽象的なことを決して否定せず一つずつ根拠立てて組み立てをサポートしてくださり、実現可能な範囲まで成形することが出来たと思います。多いときは月に二回、およそ10カ月間、ここまで長く無償でサポートしていただけることは他にありません。心より感謝しています。ここからがスタートなので、今後も都度相談させて頂こうと思っています。
ありがたいお言葉です(涙)米津さんとは同い年なこともあり、率直な意見も言わせていただきながら、楽しく面談させていただいています。
-弁護士の布木コーディネーターからも、法律的な部分をアドバイスさせていただきましたがどうでしたか?
会社を立ち上げるにあたり、法律的な面から順序や必要な事、やってはならない事等をうかがいました。とにかく素人で何もわかっていないような質問を多々したのですが、専門的な内容をわかりやすくかみ砕いて説明してくださいました。なかなか理解に乏しい部分もあったかと思いますが親切丁寧にお話くださり、わからないことへの不安が安心に変わりました。ありがとうございました。

-よろず支援拠点に相談しようか迷っている人へのメッセージなどがあればお願いします。
初めは誰も分からないことだらけで不安になり身近な人に頼りがちです。きっとそれでことたりることもあるでしょう。でも本当に分からない事はやはり専門家に相談するのが一番です。ここにくれば解決してくれます。多岐にわたる悩み事もそれぞれの専門家が答えてくれるのでとても心強い。なにより何も分からない状態で飛び込んでも、ちゃんと向き合い相談に応じてくれます。小さなことも大きなことも、まずは相談してみると良いと思います。自分事のように力になってくださり、適切な対処を教えてくれます。とても無償だとは思えない手厚いサポート!あなたのやる気に応えてくれますよ。迷うくらいなら一度お電話してみることをお勧めします!
ありがとうございます。このような門出に立ち会えて、私もとても嬉しいです。本当に大変なのはこれからだと思いますので、よろず支援拠点は引き続き全力でサポートさせていただきます。
インタビューは以上です。
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どんなお悩みでも、事業者様のお話を丁寧に聴き、想いを受け止め、カタチにするのがよろず支援拠点です。
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