簡単ころな支援策シリーズ「そもそも支援の全体像って?」
2020.06.15


宮城県よろず支援拠点の佐藤です。

令和2年度第2次補正予算が12日に国会を通過しました。各種支援策が拡充されています。今後制度など具体的な内容で展開されてくるものと思います。


さて、矢継ぎ早にいろいろな制度が展開されており、正直我々も事細かにすべてのことを把握するのにもいっぱいいっぱいです。

我々コーディネーターでさえいろんな施策の内容をフォローするのが大変なのに、事業者さんはすべて理解するなんてなかり無理のある話です。


なので、当拠点等を活用し支援策をうまく活用していただきたいところなのですが、なかなか1つ1つお伝えするのも時間がかかりますので、対話形式で国の支援策の体系をお伝えできればなあ、と思っておりました。

そこで、

 「国の支援策の概要をざくっと簡単に理解していただくブログ」

として、大枠を理解し支援策を活用していただくための情報発信をしていきたいと思います。


今回は「そもそも国のコロナ支援策ってざっくりどんなものがあるの?」という声も多いので、主な支援策の分類と活用用途を説明します。その後、第2次補正予算の概要についてもお伝えします。



【目次】

(1)簡単ころな支援策 そもそも支援の全体像は?

(2)令和2年度第2次補正予算 をざくっと知りたい!

それでは長文になりますが、お読みいただけますと幸いです。





(1)簡単ころな支援策 そもそも支援の全体像は?


国のコロナ支援策は大きく分けると4つあります。

「給付金」と「融資」と「助成金」と「補助金」です。

それぞれ用途は異なります。資金繰りとして使えるものから、売上拡大を図るためのものなど、用途が違うので、まずはざっくりとこの4つの用途を把握しておきましょう。


その1 給付金

給付金には持続化給付金と、家賃支援給付金があります。申請するための条件がありますが、いずれも対象になる場合に国から一定額が支給され、返済する必要はなく用途も自由です。

持続化給付金は、コロナの影響で売上が前年対比で50%以上減少した事業者が活用できるもので、個人事業主は最大100万円、法人は最大200万円が支給されるものです。50%以上売上が減少した月が、2020年1月~12月の間でひと月あれば申請が可能です。

家賃支援給付金は、5月~12月のうちでひと月の売上が前年同月比で50%以上減少したか、連続する三か月の売上高が前年同月比で30%以上減少した場合に対象になります。申請時の直近の家賃を基本にして、その家賃の2/3または1/3を6か月分支給します。

<持続化給付金申請サイト>




その2 融資

通常の借入とは別の借入枠で、コロナの影響で売上が減少した事業者に対して優遇した金利や条件で貸し出しを行うものです。借入金なので返す必要がありますが、一定の条件を満たせば3年間の利子が国から補助されたり、返済を開始するまでの猶予期間を最大5年間取れたりするなど、とても活用しやすい条件になっています。

民間金融機関で行っているものと、国の金融機関で行っているものがあり、申請手続きにやや違いがありますが融資の条件はほぼ同じものです。

<経産省・資金繰り支援一覧>




その3 助成金
コロナに関連する助成金には大きく、雇用調整助成金と、小学校休業等対応助成金があります。

雇用調整助成金は企業が支払った休業手当を助成するもので、小学校休業等対応助成金は、学校等が休みになったりお子さんがコロナに感染したりして休んだ場合に、有給の特別休暇を与えた企業へ助成するものです。


まず雇用調整助成金ですが、コロナの影響で会社やお店を休業した際に、従業員へ支給した休業手当の4/5を国が助成します。なおコロナの影響があっても解雇をしていない場合は助成率10/10になります。また過去にさかのぼっての休業手当を申請することができ、2020年1月24日以降に発生した休業手当について遡及申請(さかのぼっての申請)ができます。

休業を実施したのちに書類を作成して申請します。申請してから労働局で審査をし、その後に助成金が振り込まれます。概ね1~2か月はかかるのでその間の資金繰りは事前に工面しておく必要があります。

<雇用調整助成金>




なお雇用調整助成金は、雇用保険に入っている従業員が対象です。よってパート・アルバイトなどは対象になっておりません。パート・アルバイトなどの雇用保険に入っていない従業員を休業させた場合の助成金は、「緊急雇用安定助成金」で対応します。とはいえ様式や手続きはほぼ同じです。こちらは制度施行が4月1日からなので、4月1日以降の休業が対象です。


小学校休業等対応助成金は、小さいお子さんが、学校・関連施設の休業や新型コロナに感染するなどして、在宅することになった場合、会社が特別に有給で休暇を与えた場合にその全額を国が企業へ助成するものです。有休は賃金全額に相当することが必要です(助成の上限額があります)。こちらは2月27日~9月30日までの休暇が対象です。

<小学校休業等対応助成金>



類似するものに小学校休業等対応支援金があり、こちらは業務委託契約を締結している個人(いわゆるフリーランス)が対象になります。こちらは2月27日~9月30日までが対象で、支給額は定額です(4/1以降は7,500円)。

<小学校休業等対応支援金>






その4 補助金

補助金には大きく、ものづくり補助金、持続化補助金、IT導入補助金の3つがあります。

それぞれ以前からあった補助金で、新たな商品開発や販路拡大、IT導入をする際にかかる経費の1/2から2/3を補助するものです。

補助金は申請するにあたり事業計画書を作成することが必要で、計画の内容によって採択されたりされなかったりが決まります。新型コロナに対応するために非対面での営業をするための設備購入や、テレワークをするためのIT導入などで一部補助額や補助率が増額になるものです。

資金繰りというよりは、コロナの時代に適した事業展開に変化することを後押しする制度になります。

<中小企業生産性革命推進事業>





(2)令和2年度第2次補正予算 をざくっと知りたい!


各種支援策をずらずら~っと理解しようとするとこんがらがりますので、融資・給付金・補助金・助成金のそれぞれのくくりで、どんな支援策が出ているのかを整理してまとめます。

こうしてみると、ある程度は体系的に理解しやすくなったのではないかと思います。


 1.融資関連
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ・日本政策金融公庫等のコロナ特別融資の融資枠の拡充
  中小事業3億円   → 拡充で6億円まで
  国民事業6,000万円 → 拡充で8,000万円まで

 ・同融資での金利引き下げ枠の拡充、および実質無利子化枠の拡充
  中小事業1億円まで   → 拡充で2億円まで
  国民事業3,000万円まで → 拡充で4,000万円まで

 ・民間金融機関のセーフティネット保証4号・5号の実質無利子化枠の拡充
  3,000万円まで → 拡充で4,000万円まで

 ・日本政策金融公庫等の既往債務の借換限度枠の拡充
  中小事業3億円まで   → 拡充で6億円まで
  国民事業6,000万円まで → 拡充で8,000万円まで


 2.給付金関連
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ・家賃支援給付金
  中小企業のうち、5月~12月の売上高が50%以上減少、または三か月
  に渡って30%以上減少した事業者が対象。直近家賃に基づいて計算され
  る給付月額の6か月分を給付(給付率は2/3~1/2)。

 ・持続化給付金の対象枠拡大
  拡大した内容については詳細未定。今後経産省から展開される内容を待つ。
  売上高が1月~12月の間で50%以上減少した月がある事業者が対象。
  法人最大200万円、個人最大100万円の給付。


 3.補助金関連
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ・中小企業生産性革命推進事業による事業再開支援
  ものづくり補助金、持続化補助金、IT導入補助金それぞれで、新型コロ
  ナへの対応をする一部の取組みの場合、補助率を3/4へ引き上げる。
  また、ものづくり補助金と持続化補助金に採択された事業者には、別途「
  事業再開枠」として、コロナ感染拡大予防に使えるマスク・消毒薬・空気
  清浄機等の購入にかかる経費を全額補助する(最大50万円まで)。


 4.助成金関連
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ・雇用調整助成金の簡素化・拡充化
  助成金の対象期間を1月24日以降に遡及できる緊急対応期間を延長
   2020年6月末まで → 延長後2020年9月末まで
 
  助成額の引き上げ
   1日上限8,330円 → 引き上げ後15,000円

  解雇等をせず雇用維持に努めた企業の助成率引き上げ
   助成率9/10 → 引き上げ後10/10
   (4/1以降で遡及可能)


 5.その他
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ・雇用保険の特例措置であるみなし失業の導入
  従業員自らが手続きをすることで休業期間の失業手当(賃金のおおむね8
  割)を受け取れる制度を実施



今回の簡単ころな支援策シリーズは以上です。


内容については調査したうえで記載しておりますが、ある程度デフォルメしている箇所がありニュアンスが異なったり細かい条件をあえて記載していない箇所があります。そういった点についてはしっかり調べて頂くか、当拠点までご連絡を頂ければと思います。

次回以降も、支援策をできるかぎり体系的にわかりやすく把握するためのコラムを提供していきます。



「資金繰りをなんとか安定させたい」

「こんな商品のアイディアがある」

「今後の経営計画を考えたい」


そういった事業者様の想いを受け止め、確実にカタチにするのが、当拠点です。まずはお気軽にお電話ください。

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<筆者>
宮城県よろず支援拠点チーフコーディネーター 佐藤創。
経営革新や商品開発、広報など売上拡大に直結する具体的で斬新な提案が持ち味。
個人のミッションステートメントは、“あなたの「現状を変えたい」思いを確実に形にし、未来と感動を創り出す変革の経営コンサルタント”。現状からの変革を通じ、相談者の未来と感動を共創することこそが、自身のミッションであり最大の喜びでもある。

※「よろず支援拠点のお仕事」として佐藤のインタビュー記事が掲載されています。
https://yorozu.smrj.go.jp/recruit/voice_miyagi/
2020.06.15 17:52 | 固定リンク | 経営ミニコラム

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