星野リゾートに学ぶ、小規模事業者のコロナ時代を生き抜く処方箋
2020.06.01


宮城県よろず支援拠点の佐藤創です。

先日、令和2年度第2次補正予算案が閣議決定し、今月中には国会の審議を経て予算通過となる見込みです。本予算案には、


  • 持続化給付金の継続

  • 新型コロナ特別枠融資(実質無利子・無担保)の継続

  • 雇用調整助成金の拡充

  • 中小企業生産性革命推進事業(ものづくり・持続化・IT補助金)の拡充

  • 家賃支援給付金の新設



などなど、更なるコロナ禍対策が盛り込まれています。



我々よろず支援拠点をはじめとした支援者は、こうした制度の利活用をみなさまにご案内し経済回復を図りたいと考えています。制度のいろいろな不足など指摘する声があることは重々承知しておりますが、だからこそ、私たち支援者がその隙間を「知恵と工夫」で補っていくことが求められていると、肝に銘じております。

本日も、「小規模事業者だからこそ実行できる、Withコロナ時代への処方箋」というテーマで、今後の事業展開のヒントをお届けします。何かのヒントになれば幸いです。

 

(1)星野リゾートに見る、コロナへの対応策

さて本日は、国内外に42施設を運営する星野リゾート(長野県軽井沢町/代表 星野佳路)のニュースリリースから、今後の事業者さまが取るべき「コロナ対策の方向性」を考えてみたいと思います。
 

●ニュースリリース(外部サイトへリンクします)
 【星野リゾート】大浴場の混雑度がスマホで分かる「3密の見える化」サービス開始|対象:界、星のや軽井沢、リゾナーレ熱海(計15施設)|開始日:2020年6月1日

 

リリース記事では、オリジナルのWebシステムを導入して、大浴場の混雑度を客室から「見える化」する仕組みを紹介しています。これによって大浴場における3密を回避する仕組みで、安心安全の旅行を提案するサービスの1つです。星野リゾートでは「最高水準のコロナ対策宣言」の元、3密回避を徹底した安心安全の旅行体験を提案する取り組みを継続しているほか、Withコロナ期の旅行として、「マイクロツーリズム」という概念を提唱しています。


  • 星野リゾート(長野県軽井沢町/代表 星野佳路)は、新型コロナウイルスの影響が観光業界に及び、不安視される中、長期化するWithコロナ期における旅のあり方として、遠方や海外をイメージすることが多い「旅」を、地元に目を向けて楽しむ「マイクロツーリズム」を推進することで、コロナ期の旅行ニーズに合わせたサービスや、地元を深く知るきっかけ作り、そして感染拡大を防止しながら地域経済を両立する観光など、新たな旅のあり方を創造し、提案します。
    (引用:星野リゾートWebサイト ニュースリリース2020/05/29)



こうした取組みの手法は、他の企業でもとても参考になると考えます。星野リゾートの良い取り組みを、どのようにしたら小規模事業者に横展開できるでしょうか?

  
  
  

(2)コロナへの対応取り組みの順序と戦略

星野リゾートに見る取り組み順序を一般化すると、以下のようにまとめることができます(あくまで当方個人の考えです)。

①新型コロナ感染拡大への対策を徹底的に行っている事の「見える化」
 →安心・安全の場の提供


②Withコロナの時代に対応するサービス展開の方針を「宣言」
 →サービス方針の提案


③顧客の共感を得ながら事業を展開する
 →事業の実行



まずは、新型コロナ感染拡大への取り組みを「見える化」することで「安心安全の場である」ということを発信しないかぎり、顧客は安心して戻ってくることができません。対策を徹底している事のPRが競合との差別化の1つの要素になり得ます。まずはここを徹底することが必要です。

その次に、Withコロナの時代に適応したサービスの方針を、特別な名称を付与して「宣言」します。事例では「マイクロツーリズム」が該当します。「今後はマイクロツーリズムが熱いよ」というメッセージが顧客に届いて初めて、「ふーん、言われてみるとたしかにそうだ」と考えてもらうことができます。Withコロナの時代に適した新しいサービスを始めようにも、その方針を顧客に分かりやすく届けなければ、理解さえしてもらえないのです。

最後に、安心安全の場で、あらたなサービス方針で運営するので、「これこれこういったスケジュール感で進めていきます、こうご期待」としめます。そうすると顧客は、「いつごろにこんなサービスができて、その次はこれか。ちょっと気になるからのぞいてみるかな。体験してみるかな」といった気持になり、

 顧客の興味関心を引く
    ↓
 取り組みに共感する
    ↓
 事業者を応援したくなる

といった流れで顧客をファン化することができるのです。







(3)小規模事業者への適用

この流れを小規模事業者にも適用しましょう。
実は、小規模事業者こそ、こうした顧客とのコミュニケーションを通じた「顧客のファン化」「顧客の応援団化」がやりやすいのです。

実際、飲食店やマッサージ店・サロンでも「コロナの影響が甚大とまでは出なかった」というところが、小規模事業者に多くあったという事を、支援の現場で目の当たりにしています。もちろん売上減少の影響は全業種で発生しているのですが、それでも「コロナの影響はどうですか?」と尋ねたところ、

 「売上は減ってるけど、思ったほどじゃなく何とかやれてるよ」

 「常連さんが応援してくれてるから、おかげさまでなんとかつながってるよ」

と回答を頂いたところが多くあります。

こうした事業者は、太いお得意様を持っている事業者さんです。コアな顧客が当店のファンとなり、様々な取り組みを後押しし、応援してくれるお店がコロナ禍に強かったのです。

コロナ禍は「本当に必要なお店や会社・事業の存在を、より鮮明にした」のだと思います。コロナ禍を耐え抜いた事業は、お客様から本質的に必要とされていたと言えるでしょう。




例えば飲食店(居酒屋)での取組み事例を簡単に考えましょう。

・まずSNSやWebサイト、常連さんを通じて「3密対策を徹底」していることを周知します。

・次に当店のWithコロナ時代へのサービス取組みの方針をしっかり「宣言」します。
 例えば、、、


  • 居酒屋がデリバリーを強化することで、お客様はおうちにいながら通いなれた居酒屋のおつまみ等を飲食できることをサービス基本方針とし、居酒屋の楽しみをご自宅へお届けする「おうち居酒屋」宣言をする。

  • 居酒屋がテイクアウトを強化することで、夕食準備をする主婦向けにスーパー以外の惣菜購入の場を提供することをサービス基本方針とし、居酒屋惣菜をおうちで楽しむことでの「居酒屋惣菜店」宣言をする。



 こういった「宣言」によって顧客は、「そうか、当店は今後そういった方針に取り組んでいくんだな」と初めて認識することができるようになります。なんとなくデリバリーやテイクアウトに対応するよりも、しっかりと記憶に残ることができます。


そうすれば、当店の新たな使い方を顧客に提案でき、顧客ニーズと合致していれば新たな利用シーンでの消費をしてもらえます。それが顧客や消費者のWithコロナ時代の心理やニーズにマッチしていればいるほど、共感が生まれ、そこから応援してもらえるようになります。

単なるデリバリーやテイクアウト・メニュー開発だけよりも提案力がありますし、それが共感→応援の心理を生みだすこともできます。

Withコロナ時代のサービスは「尖っていなくても良いので、どんな方向でサービス展開するのか」を既存客や固定客さんの顔を思い出しながら提案していく、顧客とのコミュニケーション・プロセスを経由するものであろうと考えます。


顧客1人1人の顔が見えやすい小規模事業者さんほど、こうした変化の時代にしっかりとお客様の想いやニーズをくみ取った事業展開ができるはずです。


不特定多数の「誰か」の顔をみるよりも、今まで支えてくれた「あの人」に喜ばれるサービスを提供していきましょう。それが「共感する人この指とまれ」の流れで広まっていき、同じ価値観の根強いファンをさらに生み出していくのではないかと思います。



「資金繰りをなんとか安定させたい」

「こんな商品のアイディアがある」

「今後の経営計画を考えたい」


そういった事業者様の想いを受け止め、確実にカタチにするのが、当拠点です。
まずはお気軽にお電話ください。

想いをカタチにする経営相談所、それが宮城県よろず支援拠点です。

 

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<筆者>
宮城県よろず支援拠点チーフコーディネーター 佐藤創。
経営革新や商品開発、広報など売上拡大に直結する具体的で斬新な提案が持ち味。
個人のミッションステートメントは、“あなたの「現状を変えたい」思いを確実に形にし、未来と感動を創り出す変革の経営コンサルタント”。現状からの変革を通じ、相談者の未来と感動を共創することこそが、自身のミッションであり最大の喜びでもある。

※「よろず支援拠点のお仕事」として佐藤のインタビュー記事が掲載されています。
https://yorozu.smrj.go.jp/recruit/voice_miyagi/
2020.06.01 14:31 | 固定リンク | 経営ミニコラム

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